「インド就職は、最大の自分自身への投資」山田知佳さん インタビュー 


みなさんこんにちは。

Miraist Woman 編集長の大角です。

本格的な夏がやってきました。最近のインドは40〜42度と、暑くなってきました。

日本と比べ、湿気がない分不快感は少ないですが、身体の芯から熱くなるような暑さがあります。

まだまだ6月に向けて、どんどん暑くなっていくそうなので、インドにお越しの際は暑さ対策をしっかりしてくださいね。

 

さて、本日ご紹介するインドで働く日本人女性は、山田知佳さんです。

山田さんは、インドで就業してちょうど1年が経過。インドにあるKEYENCE India Pvt.Ltd.で働いています。

山田さんはどのような経緯で、インド就職を選択されたのでしょうか。今回も、山田さんの生い立ちから遡り、どのような選択をされて、インドの地までこられたのか、いろいろ聞いてみたいと思います!

 

大角:本日はよろしくお願いいたします。

 

山田さん:よろしくお願いいたします!

 

大角:知佳さん。いつもインタビューのときは「どんな子供だったか?」という話から伺っているのですが、知佳さんの幼少期の話も聞いていいでしょうか。

 

山田さん:一言で言うと「人懐っこい子」だったと思います。人見知りせず、大人たちが喋っているところに混ざって話すことが多かった、おませさんだったと思います。私、一人っ子なので、兄弟がいない分友達や大人と遊んでいることが多かったです。

 

大角:小さい頃は何か習い事はやっていましたか?

 

山田さん:小さいときは水泳を習っていました。お母さんのママさんバレーにくっついて、バレーをちょっとやったりもしました。あと、5歳から英会話スクールにも通い始めました。

 

大角:海外就職を目指す女性の方は、ほぼ100%幼少期に英語に触れる環境があるんですよね。知佳さんも同じですね。

 

山田さん:両親が、英語は話せるようにしておいたほうが良いと言って習わせてくれました。最初は日本人の英会話教室だったのですが、小学校3年生から外国人が教えるスクールに切り替えました。

当時は日本語禁止の環境がついていけなくて、泣いていたこともあったのですが、担当のカナダ人の先生が「話せないから恥ずしがるではなく、まず何でもいいから口にしてみること」を教えてくれました。気づいたら、だんだん外国の人と英語で話す楽しさというのを感じていました。

英語を習っていたこともあり、小さい頃は通訳になりたいと思っていました。実際に、中学生の時にはじめて、ホームステイで外国に行くきっかけがありました。

山田さん:私の中学校では、試験が通った人の中から、くじ引きでホームステイができる制度があったのですが、私はたまたま当選して、オーストラリアに行くことになったんです。

 

大角:くじ引きってすごいですね。強運の持ち主なんですね。中学生の時にオーストラリアに行って、どうでしたか?

 

山田さん:それが、自分でもびっくりするくらいホームシックになってしまって(笑)毎日泣いていました。もともと人見知りしない性格だったので、ホームシックになっている自分にもショックで。

でも最後、オーストラリアを去る時に、ホームシスターズが私がいなくなることに泣いてくれたんです。ホームシックになった辛さもあったけど、同時に、もっと皆と楽しい時間を過ごせばよかったと、後悔の気持ちがこみ上げてきました。そのときに、絶対次は、ちゃんと留学して良い経験を積もうと心に決めました。

そこで高校は留学制度のある学校を選びました。バレーは引き続きやっていたのですが、留学に備えて日本の文化も学びたいと思い、弓道部の活動にも参加しました。

 

大角:留学はどうでしたか?

 

山田さん:交換留学はすごくすごく楽しかったです。アメリカのネブラスカ州のケンブリッジという田舎町に半年間行きましたが、日本人は私だけでした。でもみんなとても社交的で、クラスの子全員と仲良くなれました。

 

大角:中学のときの後悔した気持ちを生かして、今回はいい経験ができたんですね。

 

山田さん:そうですね。とにかくクラスメートやクラブの友人、ご近所とか、色んな人と交流しました。

自分のことをすごくポジティブにしてくれる環境で、新しい自分を発見した気分でした。「海外で生活している自分って、こんなにイキイキしてるんだ」と感じました。

日々の楽しさを感じられたのは、留学を通じて成長している実感があったからだと思います。最初はわからなかった授業も、英語ができるようになり、ちょっとずつわかるようになったんです。その達成感が、すごく楽しかったです。

 

大角:逆に大変なことはなかったですか?

 

山田さん:そうですね。歴史の授業はつらかった覚えがあります。すごく分厚い教科書を読んできてと言われて、でも全然何が書いてあるかわからなくって。そのときは、ホストマザーがすごく良い人だったので、わからないところはたくさんママに教えてもらいました。

 

大角:わからないことは現地の人に頼っちゃうのが鉄板ですよね!

 

秋田 国際教養大学第一期生として大学生活をスタート 

大角:知佳さん、大学はどちらに進学されたんですか。

 

山田さん:秋田の国際教養大学です。

 

大角:あ、私も知ってますよ!確か英語での授業しかない大学ですよね。

 

山田さん:そうです。大学で授業で使われている言語は、すべて英語に指定されています。

 

大角:大学生時代はどんな感じでしたか?

 

山田さん:大学時代も、小さい頃から続けているバレーをやろうと思っていたのですが、私が入学したときはバレー部がなくって。そこでバレー部を立ち上げることをしたんです。最初は体育館探しから始まりました。学校から少し離れた市民体育館に契約の交渉をして、週に1回、曜日を決めて貸してもらっていました。

 

大角:それは行動力がありますね。でも、大学にバレー部がないっていうのは珍しいですね。

 

山田さん:私達が、国際教養大学の一期生だったので、部活動はなかったんです。

 

大角:大学の一期生!!それはすごい面白い選択ですね。どうして国際教養大学を選んだのですか?

 

山田さん:大学のカリキュラムが面白そうと思ったのです。中・高の経験で、大人になったら海外での仕事をしたいを思っていたので「留学に行かずに留学しているような環境」が整っている国際教養大学はとても魅力的に映りました。

そういうところに集まる人達は、きっと面白い人が多いんだろうなと思って。その人達との出会いで、私も変わるきっかけになるんじゃないかと思ったんです。

「一期生」というところも、何も無いところから自分たちで積み上げていったり、未知の世界にチャレンジできる、そういうところも自分にプラスになると思いました。

 

大角:第一期生として、歴史のない大学に飛び込むのはすごく勇気のいることだと思います。

私の高校は進学校だったので、偏差値が高い大学を目指すことが絶対的でした。「学歴社会だから」と、親からもレベルの高い大学を目指すように言われていましたし、当時はそのことが正しいと思っていました。自分の意志で新しい大学に飛び込んだ知佳さんの決断は、当時の私とは真逆で、本当にすごいと思います。

 

山田さん:家族から「自分のやりたいことは、自分で考えて自分で決めなさい」とずっと言われてきました。私がやっていることを理解しようとしてくれて、私の選択をいつも応援してくれていたんです。

私のお父さんは単身赴任で、お父さんだけずっと東京で暮らしていました。家族一緒で過ごす時間は少なかったのですが、でもお父さんは自分の道を貫き、仕事にすごく誇りを持っていました。その姿を見て、私も自分が胸を張ってやりたいことをしようと、小さい頃から思っていました。

 

大学時代のインドとの出会い

インタビュー時、インド人の方のランチタイムにお邪魔させていただきました!

山田さん:ボランティア活動が小さい頃から好きだったのですが、大学で、発展途上国や貧困問題などについて勉強するうちに「どうして格差は生まれるのか」ということに興味が湧きました。

その授業を担当している教授が、5年間インドで働いていた経験があり、そこでインドとのつながりができたのです。国際ボランティアやNGOに関心があったのですが「実際に現場を見てみたい」と思い、大学2年生のときに、教授とクラスメート5〜6人でインドをバックパックしてインドをまわりました。

 

大角:知佳さんがはじめてインドに行ったのは、大学生のときなんですね。どのような施設を訪れたのですか。

 

山田さん:家庭内暴力をうけ、そこから保護され孤児になった子どもたちが集まる施設です。教育をして、子どもたちが社会復帰できるような活動をしていました。

また、とても田舎のエリアで、ガスや電気も通っていないような農村で暮らす、女性たちの集まりに参加しました。演劇をやって出迎えてくれてたりしましたよ。初対面なのに「こっちにきて!」とか言われて一緒に写真とったり、インドあるあるの人懐っこさをすごく実感しました(笑)

 

大角:実際の印象はどうでしたか。

 

山田さん:それが、悲しい経験をしているはずなのに、子どもたちの姿はとてもキラキラしていました。「僕は将来お医者さんになりたい」とか、明確な夢を語るんです。私は自分が子供の時、こんなキラキラ夢について語っていたかなと考えました。

インドにはカースト制度があるので、彼らの努力がすべて結果につながるとは言い難いかもしれませんが、勉強していることは絶対将来につながっているという強い意識があるんです。

そういう姿を見て、将来的に彼らが大きくなったら、彼らとインドで一緒に働きたいなと。間接的でもいいので、私もインドの経済発展につながることができたらいいなと考えました。

 

大学卒業後は京都に就職した知佳さん。海外で働きたいという思いはあったものの「はじめに日系企業での社会人経験を積みたい」と考えていたとのこと。健康に興味があり、サプリメント業界を選びました。会社としては海外事業部も持っており、海外と原材料のやり取りをしていました。

 

山田さん:社会人としてのビジネスマナー等は身につきましたし、仕事もすごく楽しかったのですが、社会人4年目の時に「もっと国際的な仕事をしたい」と考え、転職することにしました。

転職先は本社をイギリスに置く外資系企業。総合職としてITサポート、アドミ、マーケティング等に関わりました。採用条件では「英語が使えるかどうか」というところが非常によく見られました。

 

大角:日系と外資系では仕事のすすめ方が全然違いそうですが、実際は転職はどうでしたか。

 

山田さん:転職は正解だったと思います。社内の会議ややり取りはすべて英語だったり、海外の拠点とやり取りをしたり、些細な事でしたが海外と接点を持って仕事をできることは楽しかったです。

前職は500人近い組織だったのですが、今回は50人。とても小さな組織でしたが、そのほうが仕事の幅が広がり、私に合っていたみたいで、自分の力を発揮できるんだなと感じました。

 

大角:外資系=実力主義という厳しいイメージがありますが、実際そうでしたか。

 

山田さん:そうですね。前職とは違い、やればやるだけ評価される環境でした。

実は私、会社では結構重宝されていた人材だったんです。

前職で上司とコミュニケーションが合わず、部署が異動になった経験があって(笑)それから、人がやりたがらない雑用でもなんでもやって、必要とされる人材になろうと思ったんです。それを続けていたらいろんなスキルが身について、気づいたらそれが評価されるようになっていました。給与に評価が反映されたり、具体的な数字で見える形になったのはすごく嬉しかったです。

 

大角:「人がやりたがらないことをやる」ということは、わかっていてもなかなかできないことだと思います。

 

山田さん:若い人の中では「やりたいことをやろう!」という意見が多いと思います。

それはそれで大切な気持ちだと思うのですが、好きなことだけやる、というのは、それは趣味の範囲になると思います。

私も正直やりたいことだけやっていたいな、と思ってしまうこともあります。ですが私は、「やりたくないことをやるのは、仕事であれば当たり前のことだ」と考えてやるようにしています。

もちろん、嫌になることもありますが「やりたくないことは、やりたくなるように自分で考え方や環境を変えていけばいい」と、そんな風に考えるようにしています。

 

順調な社会人生活から、インド就職の決断へ

転職後の外資系企業で、順風満帆な社会人生活を送っていた知佳さん。3年経って、社内からの信頼をもらい、それは自分の成長の証だと感じることができたとのこと。

同時に、その後のキャリアにつながる成長が感じられなくなってきたタイミングでもあったそうです。

 

山田さん:残業もあまりなく、給料も安定しており、あとは結婚相手を探して退職…なんてことも考えたこともありました(笑)しかし、もっと自分にできることがあるのではないかと考えたんです。

上司にも、自分のキャリアアップについて相談したのですが「そのまま続けたら良い」というアドバイスで、この会社で自分自身の変化を起こすことは難しいのかなと感じました。また日本で転職しても、同じサイクルの繰り返しなのかな…と。

その時は20代最後の年だったのですが、学生の頃考えていた「インドで働いてみたい」という思いが忘れられず。自分の人生に後悔したくないと思い、インド就職をする決断をしました。

 

大角:20代後半は、女性にとってライフプランにおいてさまざまな選択が迫られる時期ですよね。

 

山田さん:そうですね。私も結婚や出産のことを考えて、インド就職にチャレンジできるのは今しかないと思いました。タイミングというのは、人それぞれにあるのだと思います。

 

大角:転職活動はスムーズにいきましたか。

 

山田さん:実際に日本で開催されている「インドで働きたい女性向けのセミナー」に参加して、情報収集をしました。

私の意思は堅かったのですが、インド就職を家族に伝えた時に反対されたことが印象に残っています。

家族が、今まで私の選択に対して反対することはなかったのですが、今回は「なぜインドなの?」と聞かれました。私自身も、応援してくれると思っていたので最初はショックでした。

でも、日本での最後の夜に、お父さんがふと「娘を嫁にやるときって、こういう気持ちなのかな」とつぶやいたんです。その時に、家族は反対していたのではなく、寂しさを感じていたんだなと思いました。

 

大角:とてもいいエピソードですね。

 

山田さん:家族にはとても感謝しているので、いつか親孝行をしたいなと強く感じました。

インドでの就業がスタート。「営業職」という新たな挑戦へ

大角:インドの仕事選びはどのような点を気をつけましたか。

 

 

山田さん:当時は営業職だけに絞って会社を選んでいました。

これまでいろいろな分野の仕事はやらせていただいていたのですが、幅広い経験を得た分、私のスキルにはあまり専門性がないなと感じていたのです。キャリアの専門性が欲しかったことと、今まで営業はやったことがなかったので、大変ですがチャレンジしてみようと思っていました。

 

 

大角:実際に仕事をしてみて、どうですか。

 

 

山田さん:今の仕事ではセンサーの販売の仕事をしているのですが、私自身は文系出身で、エンジニアの人と比べ、もともと専門知識は持っていなかったのです。

しかし最近は、会社にとって、私ももっと知識を得て、商品について詳しくなる方がいいのではないかと考えるようになりました。

そこで今は、分からないとこなど現地スタッフの同僚たちに教えてもらっています。彼らの方がセンサーの先輩なので、私が理解できたときにとても喜んでくれますし、何より皆、頑張り屋さんなメンバーで、一緒に働いていると「私も役に立ちたい、もっと喜んでもらいたい」と感じます。

新しいことを勉強し習得することは大変な部分も多いのですが、わかるようになったらもっと仕事は楽しくなるんだろうなと思っています。仕事って、できないと不安を感じることが多いと思うのですが、できるようになると、楽しくなってきますよね。

今は、私も専門的な知識を使って、商品のデモンストレーションが出来るように勉強中です。日々、できるようになった自分を想像しながら頑張ってます。

 

 

大角:とても素敵な考え方だと思います。今インドに来てから1年位経ちましたが、生活の方は慣れてきましたか。

 

 

山田さん:そうですね。インドに1年いて、仕事以外にも、少しずつ自分の活動もできるようになってきました。来月あたり、インドの学校で、ボランティアで日本語を教えている方に会いに行きます。私にインドのきっかけをくれたボランティア活動にも、少しずつ携わっていきたいと思っています。

 

 

大角:インドに来てよかったなと思いますか。

 

 

山田さん:もちろん思います。今が一番、自分のやりたいことをやっていると感じます。

新しいことを習得することは大変なこともありますし、インド人との交渉やコミュニケーションでは、日本ではないようなことが多々起こりますが、それもある意味、異文化交流の一つなのかなとも思います。次第に楽しんでる自分がいて「適応能力があがった」と感じていますね。

インドでの生活は、様々な面でやりがいはすごくあります。私にとっては自分自身に投資をするという意味で、インド就職はすごく良い決断でした。

 

日本人女性に応援メッセージ

大角:知佳さん、今日はお忙しい中お時間頂いて、本当にありがとうございました。最後に、日本にいる女性に向けてメッセージをもらえますか。

 

山田さん:えーなんだろう・・・。そうですね。やりたいことをやることが一番大切だということを、伝えたいです。

私は、女性はやりたいこととか好きなことを一生懸命やっているときが一番輝けると思っています。

一生に一度しかない人生に、時間は平等に与えられていて、その与えられた時間をいかに濃く過ごしていくかどうかが大切かと思います。自分の時間を大切にして、自分が何をしたいのかを考えて行動すれば、魅力的な女性になれると思います。

インドに就職することがゴールではありません。その環境の中で、どうやって過ごしていくかが重要です。皆さんの選択を、インドから応援しております!

 

 

編集後記

初めは緊張気味にお話をされていた知佳さんでしたが、暑い中の撮影にも丁寧にご協力いただき、無事インタビューを終えることができました。今までの一つ一つの事象にしっかり自分の考えを持って選択されている姿は、とても美しく映りました。

インドというハードな環境でも、常に「会社への貢献」と「自分の成長」を考え挑戦されている姿を見て、私も頑張ろうと思いました。知佳さんの今後の活動もとても楽しみですね!またどこかの機会で、近況報告をしてもらえたら嬉しいなと思います。

知佳さん、お忙しい中ご協力いただき、本当にありがとうございました!

 

 

 


返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です