こんにちは、関野です!

前回、久しぶりに書いたブログでインドのフリーペーパー「Chalo」にてお悩み相談室のコーナーを持たせていただいていることを書いたのですが、割と好評だったので、第1回から載せていこうと思います!

記念すべき第1回目は、インド人の採用についてお話させていただきました。


 

chalo

 

―最近日本からグルガオンに進出し、インド人の採用を開始しました。面接では、しっかりと経験や実績を確認したつもりだったのですが、入社後に実はできると言っていたことができないことが発覚しました。インド人の面接の際の面接官としての注意点等を教えて欲しいです。(30代男性/製造業)

関野:「できる」という言葉の意味にインド人と日本人の間で乖離があることを認識する必要があります。

日本人は、「できること」をこれまでの過去の自分の実績や経験をベースに表現します。仮にこれまでの実績や経験が70%だとしたら70%のままか盛るとしてもせいぜい80%程度でしょう。経験がなければリスクヘッジの意味も込めて100% できるとは言わない人が多いと思います。

一方、インド人はこれまでの経験に将来の可能性を上乗せして回答する傾向があります。今は70%程度しかできないことでも入社後にキャッチアップできると思えば、100 ~ 120% 程度の自信を持ってできる!と盛ってアピールをします。程度の差はあれ、自信を持って回答するインド人は欧米型の面接アピールに近いです。

これはどちらが良い悪いという問題ではなく、文化の違いを認識した上で面接を進める必要があるということだと思います。

―では面接ではどうすれば良いのですか?

「できる」という言葉をそのまま鵜呑みにしないで、具体的行動・客観的事実・数字にフォーカスをして質問して下さい。

レジュメの経験について質問をする際には、5W1H特に、その転職希望者が「What:何をしたのか(結果としての数字等)」、「Why:なぜそうしたのか」、「How:具体的にはどう行動したのか」を意識し、「簡潔に」回答をするように促して下さい。

だらだらと良くわからない説明が続いたら、実はその業務は経験がないかもしれません。勿論相手が人なので、100%の見極めが難しいとは思いますが、より精度が高い判断ができるようになると思います。


 

実は、この記事を書かせていただいたのはインドで生活し始めて5年目の時でした。インド人と向き合ってきて、自分なりにインド人への観察眼が身についた頃に書いた、個人的には思い入れがある記事です。

以前自分が書いた文章を読んで、時の流れを感じましたね…!

文面にもありますように、ひとつの視点から文化や習慣を見ると、一方的に良い・悪いという価値基準が生まれてしまいますが、インドというダイバーシティ溢れる国で、違いを受け入れて、進めていく。それがインドでビジネスをしていく上で大事なことだと、今も変わらず思いますね。