こんにちは!関野です。
経済の発展にともなって航空産業も盛んになってきているインドですが、”インド人材採用対談企画” 第5弾で対談させて頂きましたのは、All Nippon Airways Co.,Ltd.(ANA)のインド統括 兼デリー支店長を務めていらっしゃる滝さん。
インドでビジネスを展開していく上で求める”人財”とは?日本人の現地採用において、重視しているポイントとは?
熱くお話した内容を、共有致します!
日本人の現地採用において大切にしていること
(関野)本日は日本人現地採用の戦力化についてお伺いしたいのですが、 御社には日本人の現地採用の方が4名いらっしゃるということですが、 どのような役割を担われているのでしょうか?
(滝)それぞれの役割について語る前に、ANA では大前提として「人財が極めて重要」という認識を強く持っています。
エアライン事業というのは各社でほぼ共通の航空機を使っていますので、人的なサービスの違いが差を生み出します。そのサービスを担うのが人財である訳で、だからこそ社内では「人材」といいません。
これは世界中の事業所で共通する考え方であり、その地のナショナル(当地はインド人)スタッフと日本人現地採用の方の活躍無くしては、海外でANA のサービスレベルは提供出来ないと考えています。
(関野)なるほど。サービスのレベルを上げるためには、駐在員だけでなく、 現地採用の日本人の方の役割が重要ということですね。
(滝)現在はデリーに2名、ムンバイに2名の日本人現地採用社員がおります。私が勤務するグルガオンの市内支店にはそのうちの1名がおり、 かつて2名で分担していた総務・営業の仕事を兼任してもらっています。
(関野)日本人現地採用の方を採用するときのポイントはどのあたりにあるとお考えですか?
(滝)まず私が重視していることは、インド人と日本人の感覚の違いを理解し、その橋渡し役を担える人間力とコミュニケーション力を備えていることです。
別な言い方をすれば、即戦力としてのスキルよりも、性格や姿勢などの方が大事ではないかと考えています。このインドの地で覚悟してやっていきたいという期待感や希望を強くもっている方であれば、 スキル自体はチームの中で経験と共に養われます。
また、ANA の DNA ともいえる日本的な業務・サービス品質をインド人社員に定着させるためにも、地道で根気強く、信頼関係を築きながらチームとして仕事に取り組める日本人現地採用社員が必要不可欠だと思います。
(関野)他には大切なポイントはありますか?
(滝)特にインドで組織を動かしていくには、インド特有の価値観や人々に対する許容性が重要になってきます。時に過酷な生活環境で文化の異なるインド人と共に ANA 社員として共通のゴールに立ち向かうには、お互いを尊重し許容した上で意思疎通を深め、中長期的に安定的な関係性を築いていくことが求められます。
(関野)確かにここでは「許容性」は大事ですよね。どれだけ英語力やスキルが高くても、許容性、順応性の低い方は活躍できない傾向があるように思えます。
ところで現地採用の方のキャリアという点では御社では何か制度等ございますか?
(滝)当社には Job Posting 制度という海外事業所間の実務研修制度がありますが、この制度を使ってデリー空港でお客様サービスと委託先指導にあたっていた方を約一年間米国西海岸のサンノゼ空港に派遣したことがあります。
サンノゼにはインド人移住者が多いことから、インドを経験しヒンディー語で日常会話もこなした彼女は、お客様からも現地スタッフにも好評で大変活躍してくれました。
(関野)デリーでの経験がいきた結果ですね。
(滝)そうですね。多様性豊かなインドで経験を積むことで、アメリカでも新しい仕事と組織に直ぐに適応したばかりでなく、期待以上のパフォー マンスを発揮することが出来た好例といえます。
当社の他の海外事業所では現地採用としての能力と業績を認められ、地域統括本部のマーケティング担当としてステップアップした事例もあります。正に人は「財(たから)」でありますので、今後とも皆さんの活躍の場を深めたり広げたりしていきたいと思います。
(関野)最後に、滝さんが人材紹介会社に求める点は何でしょうか?
(滝)ずばり、豊富な候補者人脈の中から効果的にスクリーニングしていただけることですね。先に述べたように、履歴書上の事実としてのスキルも然ることながら、その方の人間性が重要です。ANA に合うキャラクターを意識してご紹介いただきたいですね。
また、採用ニーズはいつ発生するか予測不可能な場合もありますので、臨機応変にご対応いただけるよう日頃から求職者への情報発信などを通じて、良い人財との接点を保持しておいていただけたら素晴らしいと思います。
(関野)かしこまりました!期待に常に応えられるように頑張ります。本日はありがとうございました。