こんにちは!関野です。

今回お届けするのは、「シバンス」の ”インド人材採用対談企画”  第4弾。

対談させていただいたのは、インフォブリッジグループ代表の繁田奈歩さん。
繁田さんは大学時代からオンライン調査のベンチャー企業インフォプラントの起ち上げに加わり、その後中国子会社を立ち上げるという経験をお持ちの方であり、またインドでインフォブリッジを設立した、女性起業家です。

繁田さんの著書「デリー勤務を命ず 辞令が出たら読むビジネス版インドの歩き方」もインドでビジネスをする人の必読書。まだ読んでない方は、ぜひ読んでみて下さい!

インド人社員を成長させるのに必要なことは?

(関野)繁田さん、今日はよろしくお願いします。インドのビジネスコンサルタントといえば、繁田さん!というくらいマーケットには浸透してきておりますが、最近新しいことにも挑戦し始めていると聞いています。

(繁田)これまでの日系企業様向けの調査やコンサルティングの事業は継続しつつ、エコシステムの連携を皮切りに、日本のスタートアップとインド市場、インドのスタートアップと日本企業を結びつける事業もスタートしています。

インドでは今後、先進国の後を追うモデルではなく、一足飛び、二足飛びで、諸問題を解決するエコシステムが構築されていくと考えています。すでにある日本企業とインドの大学との間に入り、AI の産業活用について協力する協定締結のサポートをさせて頂くなど、動き始めています。

(関野)インドの大学にもよく足を運ばれていると聞きますが。

(繁田)インドの大学と連携してみて感じるのは、本当に若くて優秀な人が多いということです。そしてとても素直です。ある意味まだインド式のビジネスに染まってない面もあり、そういう若くて優秀な頭脳をもつインド人を日本の会社で採用し、日本式のいい部分を伝えていくことで、 よりよい人材に育つのではないかと考えています。

(関野)そのような優秀な若者は日系企業に就職しますか?

(繁田)インドではこのような優秀な若者が根付く会社にできるかどうかが重要だと思います。
日本とは異なる終身雇用という考えはないですが、 ある程度の期間成果を出し続けてもらうためには、彼らの知的好奇心を満たし続けることが大事だと思います。

(関野)御社での採用ではどのようにその辺りは意識されていますか?

(繁田)弊社での直接採用ではなく、出資先企業でのインド人採用の話になりますが、私が考える大事なポイントは、まずは日本人とインド人経営層で価値観の共有、コンセンサスを得ることです。その上で人材採用方針やポリシーを会社として明確化する。そして、日本人とインド人経営層双方でミドル層を中心に鍛えることにより、さらにはミドル層からジュニア層にしっかりと会社としての意思を伝えていくことだと思いま す。

(関野)日本式をどのように融合すればいいと思いますか?

(繁田)計画性や先を見る力をインド人の現場対応力、発想力に融合できるといいですね。
言うは易しなんですが、この点でもう一つ問題意識があるのは、日本人の駐在員の方々がインド人を育てるという意識をもっと持てばいいということです。どうしても 2~3 年で帰るとなると長期的な視点で見れない気持ちもわかりますが、しっかりと成長を見守ることができれば、日本の良いところとインドの良いところを融合した人材が育っていくように思えます。

(関野)成長を見守るというのはとても難しいと思うのですが、どのようなポイントが重要だと思われますか?

(繁田)権限移譲をしないと成長しないのですが、その時に放置プレイしすぎているように思えます。任せると放置するとは違います。任せつつも常に緊張感ある関係性を築く必要があります。
そのためにはこちらも論理的にしっかりと説明できる能力がないといけませんし、一人のビジネスパーソンとしてインド人から尊敬される人でないといけませんしね。

(関野)しかし、中にはインドでの事業遂行に苦手意識を持っている日本人駐在の方もいらっしゃいますね。
繁田さんは、どんな方がインドの事業推進にはふさわしいと思いますか。

(繁田)インド事業にコミットできる意思を持っている人にインドには来てほしいですよね。社内にそのような人材がいないのであれば、外部から登用すればいいのです。

(関野)その通りだと思います。外部登用というお話ができましたので、ぜひその時に人材紹介会社を利用いただきたいのですが、どんなリクエストがございますか?

(繁田)ちゃんとそこに「必要な人」がいることです。きちんとしたスクリーニングができている人がいることが重要だと思いますよ。

(関野)まさにそれは私どもの役割ですね。今日は貴重なお話いただき、 ありがとうございました。

繁田さんと関野