こんにちは!関野です。
先日投稿しました「シバンス」の ”インド人材採用対談企画” 。
インドで活躍されている日系企業の代表の方と、人材採用について熱く対談するという大変光栄な機会でして、2回目には、浜西さんと対談させていただきました。
浜西さんは、現在は帰任されまたしたが、インドで「無印良品」の店舗を運営する現地子会社「良品計画リライアンス・インディア」のCEOとしてご活躍されました。
私自身、インドに無印良品が上陸した際、お祝いにかけつけました。私が所属するデリー和太鼓会の皆で和太鼓を叩いたのが懐かしいです!
インドでの無印良品「MUJI」が人材採用においてどのようなことを大切にしているのか。
今回は浜西さんの想いを共有したいと思います。
インドで展開していく上で大切にしたい人材
(関野)まずはデリー店のオープン、おめでとうございます!
(浜西)ありがとうございます。インド国内は昨年度のムンバイ、バンガロールに次いでの3店舗目のオープンとなりました。
(関野)インド初の日系小売業態の進出企業として順調な滑り出し、素晴らしいですね。
今後、さらに他店舗展開していく中ではまさに人材採用は重要だと思うのですが、御社ではどのような状況でしょうか?
(浜西)まずMUJIというブランドがインド人にまだまだ認知されておず、時にはお客様のほうが詳しいという時もあります。そんな中で採用していくには、やはりパートナーであるリライアンスの力は大きいです。
実はインドには小売業で人材が育っていないという問題があります。10年ほど前からショッピングモールなどができ始めて、ようやく小売業というビジネスを学ぶ人材が出てきました。
我々のようなモダンリテールと呼ばれるカテゴリーの人材はまだまだ不足していて、ストアスタッフとしての経験値も高い人はかなり限られています。例えばデリー店の店長には、しっかりと育成したムンバイ店の店長を異動させました。ムンバイ店での経験をデリー店のオープニングに注いでもらっています。
(関野)採用のみでなく、どう人を育てるかという点も大事になってきそうですね。
一方でインドにおいては、どうしても給与が仕事を選択するときのウェイトとして大きく、時間や費用をかけて育てても給与提示次第で転職してしまうということがよくあると思うのですが、御社ではいかがでしょうか?
(浜西)仕事選びの際、仕事内容や就業環境がより高いプライオリティになる日本が特殊であり、インドに限らずどの国でも仕事における給与のプライオリティが高いことは当然だと思っております。
しかし、MUJIの海外でうまくいっている店舗で共通しているのは、MUJIが好きで仕事をしているというメンバーが中核に常にいます。MUJIは商品ではなく、コンセプトや哲学を売っています。商品一つ一つに意味があり、そのコンセプトに共感をしたり、商品を好きでいてくれるメンバーは長い間MUJIで働いてくれますし、しかもMUJIのことを理解して仕事をしてくれるので、仕事における成果もよく出る傾向にあります。
実際にそのような人材が育ってきており、各国のMUJIの中枢メンバーになっています。
(関野)商品や組織へのロイヤリティを中長期でどう持たせるかということですね。そうすれば中枢メンバーが長く在籍し、組織全体のリテンションが効いている良い状態になりますね。
採用面接時にそのようなロイヤリティが高く、長く働いてくれそうな人材をどう見極めておられますか?
(浜西)素直さを見ています。MUJIはインドではほとんど知られていないブランドですし、コンセプトや価値観を大事にする会社です。ですので、それを積極的に理解し、吸収していこうという気持ちがあるかないかがとても重要です。
経験が豊富でも、MUJIらしさを理解できなければ、MUJIでは中長期で活躍できません。
(関野)最後に、人材紹介会社に求めるものはどういうことでしょうか?
(浜西)先ほどよりお話していますが、当社はMUJIらしさというスキルなどで測れない部分が非常に重要です。そういう点では日系人材紹介会社さんはMUJIのことを理解しやすいですし、すでに消費者として接して頂いている方々も多いので、MUJIの価値観や哲学的な部分を汲み取って採用面で支援いただけるとありがたいですね。
(関野)求人要項のスキルなどの形式知だけでなく、暗黙知的なコンセプトを理解した上で、MUJIさんに合う人材を紹介できるようにしたいですね。そのためには、私自身がMUJIさんのコンセプトに共感し、候補者の方にしっかりと語れるようになる必要がありますね。
今後も都度、MUJIさんの商品を購入して勉強させて頂きます(笑)。本日はどうもありがとうございました。
