こんにちは!関野です。
「シバンス」の ”インド人材採用対談企画” の第6弾をお届けします。
対談させていただいたのは、Nakajima Consultancy Services LLP社長の中島さん。1975年からインドビジネスに関わっており、元インド住友商事の社長でもある中島さんは、インドビジネス歴が大変長くインド市場に精通しております。
中島さんの著書「インドビジネス40年戦記」(日経BP社)は、インドで起業する方、インドでビジネスをする方にはぜひ読んでいただきたい1冊です。
私自身、インドで起業し様々な困難に直面した際、中島さんに教えを請うことがありました。私だけでなくインド駐在している人にとって大変大きな存在です。
6回にわたる”インド人材採用対談企画”の最終回です。ご一読下さい!
インドビジネス歴40年の中島さんが語るインド人人材
(関野)中島さんはインド歴が大変長いと思いますが、インド人採用でうまくいったことやご苦労など、お聞かせ願えますでしょうか?
(中島)正直申しますとほとんど苦労はないんですよ。
採用は慎重にやってきました。念には念を入れて、採用はやってます。そのための準備は怠りません。インド人を知る努力をすることです。そのためにはインド人と徹底的に深 く付き合うのです。そうすることで、自分の中に経験値が増してきます。
(関野)中島さんはその経験値をどのように活用してますか?
(中島)私は8~10個のカテゴリーに分けて考えています。そのカテゴリー毎に付き合い方を変えています。
(関野)カテゴリーですか。非常に興味深いですね。
(中島)ある程度深く付き合う中で自分なりに身につけた感覚です。
インドでは転職すればするほど箔がつく場合もありますし、状況や相手に応じて対応を変える人もいます。だからこそ、インド人のことを深く理解する必要があるのです。一方で、全てを理解することはできません。そのために対策を練る必要があります。
(関野)具体的にはどんな対策ですか?
(中島)まずは日本人だけで判断しないということです。優秀なHR責任者を雇うことをオススメします。そこに投資は惜しまない覚悟を持つべきです。
また採用行為は一時的なものではないと強く認識することです。将来に備えた人材の質の向上のために365日、常に採用のことを考えるべきです。
(関野)まさにその通りだと思います。
長年人材採用に携わっていますが常にアンテナを張り、採用に積極的に取り組んでいる企業は事業が順調に成長してる印象があります。
(中島)そうなんです。
そして、面接の時には「こんなことを聞いたら気分を害するのはないか」と考えて、遠慮するのはダメです。きちんと突っ込んだ質問をし、その時の相手の表情や目をみて、その真意を読み取ります。
またインド人を固定的にみないことです。確実に言えることは「この国は多彩な人材がいる」ということです。繰り返しになりますが、だからこそ、多くのインド人と深く付き合い、インド人のことを少しでも知る努力が必要なんです。
(関野)面接を通じても徹底的に聞くことでインド人のことを理解することはできますよね。
(中島)遠慮せず、確認作業を徹底的に続けることです。その時に矛盾点が出てくると、そこを突っ込むのです。そうしていくうちにその人の本性やキャラクターが露呈してきます。自分の良く見せることは非常に長けているので、そのことを前提に話を聞く必要があります。
(関野)徹底的に聞いても最後の最後でどちらか一人しか採用できない、という場合にはどうすればいいのでしょうか?
(中島)そこは自分の感性、直感を信じるしかないです。またどれだけ条件が合致する人でも何か自分の中に違和感がある時には採用をしないことをオススメします。
またもう一つ注意した方がいいことは、人事関係者の縁故採用です。人事評価の不平等や他の社員からの不満が多くでたケースを多々知っています。人事労務関係の人は会社内の人材に大きく影響を与えるポジションですので、能力や適性を考慮されていない人の採用は避けるべきです。
(関野)人事担当者が非常に重要ということですね。
とは言うものの、常にいい人が見つかるわけではない中ではどのように採用は進めれば良いと思われますか?
(中島)そこが御社のような人材紹介会社の出番だと思います。人事のプロ会社の人事目線で適切な人を紹介できればその会社のパートナーになれます。
(関野)はい、その点については、私どものもっとも強みとするところですの で、ぜひ皆様に活用いただきたいと思っております。本日はありがとうござ いました。