かつてない勢いで伸びているインドの航空業界。

年間およそ35%という成長率で、急激に展開を遂げています。市場成長率が高い状態にありながらも、今新たな経営戦略の導入が必要とされています。

中でも一番の問題が、旅客数の伸びに空港の数が追いついていないということなのです。今回は、インドの航空業界事情をお伝えします。

インドの航空産業が伸びている背景

まず、航空産業が活発になっている理由として、経済的発展に伴って所得が向上し、飛行機を利用する人が増大したことや、インドの対外貿易が急拡大し、インドに関心を寄せる外国企業が増えるにつれ、ビジネス目的での航空機の利用が大きく増加したことなどが挙げられます。

インドの航空産業の勢いは止まらず、2026年にはイギリスを追い抜いて世界第3位の市場になるとのデータも出ています。(「インドの航空業界におけるM&A」より)

キャパシティの限界

航空産業に関するシンクタンク、アジア太平洋航空研究所(CAPA)によると、インド国内の主要空港ではすでに70%のキャパシティを占めており、ニューデリーやムンバイにおいては80%を占めています。2022年には、収容人数を超えると予想されています。

また、ムンバイ、デリー、バンガロール、チェンナイ、コルカタ、そしてハイデラバードの6つの空港だけで、国内の航空交通量の約3分の2を占めています。ムンバイはすでに飽和状態に近く、2019年までにはキャパシティに到達してしまうとのデータも出ています。

先程あげた6つの空港では、利用者の拡大にともない、2つ目の空港の建設を予定しています。それに備えて50億ドルもの資金を割り当てていますが、それも不十分であるようです。

CAPAはインド政府に、2030年までに、加えて450億ドルの投資が必要だと指摘しています。

airport

今後は地方の空港も活性化

インドは航空旅客数の伸びとともに、今後20年かけて1000以上の航空機を購入する予定ですが、すぐにスペースがなくなると予想されている上、インドでは450あまりある空港のうち、運行可能である空港がたった75しかないことも問題になっています。

今後は、地方にある空港も活性化させようと計画しているようです。

まとめ

日本の9倍という広大な国土に、90以上の100万都市圏が散在するインド。

経済成長とともに、増加の一途をたどっている旅客数ですが、今後もさらに伸びていくと思われます。

CAPAは、2020年までインドにおける国内・国際線の合計旅客数が4.5億人と、現在の約5倍に拡大すると予測しています。

これからのインドの航空業界の動向にも、注目ですね!

 

参考記事
CNN money
「インドの航空業界におけるM&A」