2018年5月5日、秋山国土交通大臣が、インドと日本の二国間共同プロジェクトである「高速鉄道・地下鉄建設プロジェクト」の現場を視察しました。

日本の技術力を活かし、インドのインフラ整備の一環として始まったこのプロジェクト。モディ首相のお膝元であるグジャラート州最大の都市アーメダバードから、インド最大の経済都市ムンバイを結ぶこの高速鉄道は、「インド版新幹線」とも呼ばれています。

photo by Times of India epaper

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高速鉄道の駅は、アーメダバード(始発駅は隣接するサバルマティ)からムンバイまで12カ所。営業最高速度は時速320キロで、同区間の所要時間は、現在運行している在来線最速の急行列車に比べて約3分の1に短縮される。

総工費は1兆800億ルピー(約1兆8600億円)と見積もられ、このうち8800億ルピー(約1兆5000億円)は年利0.1%、償還期間50年という破格の条件で円借款を提供する。

HUFFPOST 〜「安倍・モディ首脳会談」でいよいよ出発進行「インド新幹線」の課題〜より抜粋

所要時間が3分の1になるということから、利用する人もかなり増えることが予想されます。

今回の視察には、秋山国土交通大臣だけでなく、同省の派遣スタッフとインド鉄道のアーメダバード部局の役員、双方のプロジェクトを担当している幹部も同伴しました。

また、秋山大臣は現場での徹底された安全措置を賞賛しました。というのも、日本ではヘルメット着用は当たり前ですが、インドではまだまだ安全措置がないまま工事をしているところが多いのが現実。

「工事現場の全員がヘルメットをかぶっていて感心した。とにかく安全第一だ。」と現地メディアの前でコメントしました。

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モディ首相が提唱している「メイク・イン・インディア」。

この施策のもとで、インドでは外国資本からの投資を歓迎し、インフラ整備を始めとして様々な取り組みが行われていますが、こだわっているのは「国産化」です。モディ首相は「技術は日本から来るが、動力部分や製造はインド国内で手掛ける」と明言しています。

「新幹線」の効果は計り知れない。建設事業だけで2万人以上の雇用が生まれるとされ、開業後は人の流れを加速・広域化させ、ビジネスを大きく後押しするのは東海道新幹線の例を見るまでもない。

また、沿線開発や駅周辺開発による通勤圏や商圏の拡大で、全く新たなビジネスチャンスの創出も期待できる。インドではまだ遅れている「駅ナカ」開発にも注目が集まりそうだ。

HUFFPOST 〜「安倍・モディ首脳会談」でいよいよ出発進行「インド新幹線」の課題〜より抜粋

インドの経済を加速させる、この高速鉄道プロジェクト。これからのインドの成長が楽しみですね。

photo by skyscraper.com

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参考
経済産業省HP
The Indian Express
HUFFPOST